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2025年2月27日

【ウクライナ4年】避難者が語る「今」「これから」
特別フォーラム 開催報告

  軍事侵攻からまもなく4年となる2月21日、日本YMCA同盟は特別フォーラム「ウクライナ避難者が語る『いま』『これから』」を開催。日本で暮らすウクライナ避難者48人と支援団体やメディアなど112人が新宿区の会場に集まり、避難生活の現状や課題について語り合いました。

報道関係者も多数来場。さまざまなメディアで報じられました

アンケート調査をもとに避難者の状況を語る 日本YMCA同盟の横山由利亜 

避難者のアンケートから

フォーラムに先立ちYMCAは、今年もアンケート調査を実施し、避難者196人から回答を得ました。それによれば、すでに日本財団等による生活費支援が終了した人が94%にのぼるものの、それに代わる収入が得られていない人が大半を占め、わずかな給与と預貯金を切り崩して暮らしている状況が浮かび上がりました。

就労状況は前年よりも改善し、70%以上の人が就労しており、求職中の人は37%から21%に減りました。日本語能力の向上と合わせて、避難者のたゆまぬ努力の成果が見て取れます。が、就労者のうち50%はパートタイマーで、給与額も10万円以下が多く安定しているとは言えません。

一方、「戦争が終了(停戦・休戦)した場合」の選択については、「日本に残り定住を試みたい」が60%と昨年より増加。「しばらく状況をみる(35%)」とあわせ、95%の人が「すぐに帰国はしない」と回答。ウクライナにおける住宅の破壊や不足、政治経済の不安定さなどから「日本の方が安全」と考える人が多くなっています。
昨年は、停戦について一時希望的な観測があり帰国した避難者もいましたが、本国の攻撃は激化し、インフラも機能せず、再来日する人が続いています。

  • フォーラム会場で配布した資料は上記をクリックしてご覧いただけます。(PDF 3MB/A4版 33頁)

避難者の声

参加した避難者たちが、自身の状況や日本社会への意見などを語りました。

●「外国法事務弁護士」のウリバチョバ・イリーナさんは、「戦争の長期化によって、本国の不動産の売却や登記変更、確定申告、ビザに関する相談のほか、最近は、本国の夫との離婚相談や、養育費、扶養などの相談が急増しています」と、戦争が家族関係にも深刻な影響を及ぼしている様子を語りました。

●IT企業の経営経験を活かして、日本での就労支援をしているベルナツカ・ユリヤさんは、会場の避難者に対して日本独特の企業文化やビジネスマナーを伝えると共に、「外国人労働者が増える日本の中で、私たちは外国人と日本人の橋渡し役として貢献していきたい」と、抱負を語りました。

●昨年、終戦を信じて帰国したものの、再来日したナタリアさんは「ウクライナでは毎日のように空爆があり、近くにミサイルが落ちて地獄のようでした。警報のたびに14階の家から地下へパソコンをもって避難しなければならず怖った。停電も多く、安心して眠ることも仕事することもできなかった。日本に戻ってほっとしている」。

ほか、「70歳の夫は故郷で暮らしたいと、危険を承知で一人だけ帰国してしまった。停電も多い中、持病もあるので心配でたまらない」と語る60代女性。「バイトでお金をためて、日本の大学に進学したい」という20代。それぞれの近況と希望が語られました。

「日本社会が問われていること」

  第二部では、避難者の声を受けて、日本の支援団体や行政、学識経験者がパネルディスカッションをしました。

戦況の見通しがたたないまま、日本での財政支援が終了したことで今後、子どもを抱える母親、高齢者、障がい者などが、困窮、孤立に陥る心配もあります。「帰国しても元の生活には戻れない」などさまざまな理由から「日本に長く住みたい」と考える人が増えている中、引き続き公営住宅の提供、日本語の学習機会や就労支援が求められています。同時に、精神面でのサポートや地域での見守り、仲間づくりのための働きかけができるよう、支援の輪を広げていかなければなりません。

「ウクライナの方々が長期的に安定して暮らせる体制を築くことは、他の外国ルーツの方にとっても住みやすい多文化共生社会にもつながる」との意見が交わされ、引き続き官民連携して支援をしていくことが確認されました。

5年目となる避難生活に対して、YMCAは今後も東京都をはじめ他団体等との協力や連携をさらに進め、戸別訪問や生活相談を行って、一人ひとりの声を聴き、支援を続けてまいります。
引き続きご理解ご協力をお願いします。

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