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機関誌THE YMCA

THE YMCAは日本YMCA同盟が発行している機関誌です

特集:YMCAキャンプ100年へ―つなげてきたものをよりよくするために

最新号のオピニオン

日本YMCA同盟からの提言

キャンプの教育力

公益社団法人 日本キャンプ協会 会長/明治大学 教授
星野 敏男 氏

最近読んだ新井紀子さんの本『AI vs.教科書が読めない子どもたち』では、AIロボットを制作する過程で分かってきたことの一つとして、AIが苦手としている「言葉や物事の意味を理解すること」の重要性をあげるとともに、日本の中高生の多くが、実は教科書に書かれている言葉や文章の意味をきちんと理解できていないまま育っている、という現状について大変危惧をされています。
この本を読みながら、若いころ、アメリカでキャンプや野外教育について学んでいた時に直接ご指導をいただいた、ドナルド・ハンマーマン教授が、「教室外で直接的な体験を通して行う野外教育の最大の利点は、言葉や概念の本当の意味を子どもたちが体験を通して直接理解することにあります」と言っていたことを思い出しました。
大学で相手にしているゼミ生も、野菜や魚などの見分けがつかない学生が増えてきました。見分けがつかないということは、言葉や文字では「知っている」が、それが意味する本当の中身が「分かっていない」ということです。スマホやパソコンで調べて済ませることも多いため「知っているけど意味は分からない」ということが多くなります。
キャンプに参加する子どもたちは、楽しい川遊び、ちょっと大変な山登り、最後の夜のキャンプファイヤーなど多くの活動体験を通して、知らず知らずのうちに、「友達」「仲間」「努力」「感動」「頑張ること」「へこたれないこと」といった言葉の真の意味を直接理解していきます。こうした体験記憶として身に付いた言葉の意味は、終生本人の中で受け継がれていきます。
キャンプには、教室や教科書だけでは伝えにくいことを現場で直接子どもたちに教えられるという大きな強みがあります。100年もの間、YMCA青少年育成キャンプを綿々と続けてこられた諸先輩のご努力に敬意を表しますとともに、この夏もまた、全国各地で展開されるYMCAキャンプの教育力に大いに期待したいと思います。



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