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機関誌THE YMCA

THE YMCAは日本YMCA同盟が発行している機関誌です

最新号のオピニオン
 refocus the YMCA ~”傷を負った”世界を生きる~

日本YMCA同盟総主事 田口 努

 「第22回日本YMCA大会」が11月25~27日、4年ぶりに「YMCA東山荘」で開催されました。大会のテーマは「refocus the YMCA」。前回2018年に東山荘で行われた大会は、YMCAの新ブランド立ち上げから1年目で、ブランドスローガン「みつかる。つながる。よくなっていく。」をより拡げていくことを目指した大会でした。その後、誰もが予測できなかったコロナ禍を経た今、私たちは何を見つけ、何とつながり、どうよくなってきたのか。人と会えない困難さの中で、どのように「ポジティブネット」のある豊かな社会を創ろうとしてきたのかを、あらためてフォーカスし、YMCAの今を見つめました。

 参加したユース世代からは、コロナ禍でつらかった思いが語られた一方で、久しぶりに対面で出会えた喜びと、コロナ後に向かおうとする意気込みが感じられました。「コロナ禍で見えた社会の課題をしっかり見つめて、新たなつながりを創っていきたい」「コロナ前には戻れないが、イエス・キリストが傷を負ったままの姿で復活したように、その傷を受け止めて新たな社会をつくりたい」。そんなユースたちの発言が印象的でした。

 大会中、「日本一自慢」と称して10YMCAのユースたちが活動を紹介したプログラムでは、コロナ禍で顕著になった貧困問題に取り組む「学童キャンプ」(名古屋YMCA日和田キャンプ場)や、コロナで広がった差別やいじめに反対する「ピンクシャツデー・バーチャルウォーキング」(YMCAせとうち)など、コロナ禍での課題に取り組み、新たに「ポジティブネット」のある豊かな社会へチャレンジする姿を見ることができました。(=2面特集)。

 コロナでYMCAは、キャンプなど多数の活動が中止や変更を余儀なくされ、危機的な状況を経験しました。けれどもその先行きの見えない不安の中で、従来とは違った出会いを経験し、新たなつながりを得て、それぞれに「みつかる。つながる。よくなっていく。」働きを進めてきたことを、あらためて実感した次第です。また大会では、ウクライナ避難者の声を聴くプログラムや、昨夏の世界YMCA大会で採択された「Vision2030」について分かち合うなど、世界規模の課題を考えるセッションもありました。この「Vision2030」は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)とも連動して策定され、「①コミュニティー・ウエルビーイング」「②やりがいのある仕事」「③持続可能な地球」「④公正な世界」の4項目を柱としています。終わらない戦争、気候変動、人権侵害など、世界規模の課題が山積する中でのYMCA運動の方向を指し示す「北極星」ともいわれるビジョンです。日本のYMCAも今後このビジョンについて具体的に検討してまいりますが、地球環境に配慮し、あらゆる差別や格差をなくし、コミュニティー・ウエルビーイングを目指していくことこそが、確実に平和に向かう道なのではないでしょうか。

 大会に参加されたウクライナ避難者からは、電気や水もままならない中で砲撃に怯える不条理や苦痛が語られました。一方で、独裁政権下で自由を奪われ苦しむ人々がいます。コロナ禍でみえてきた格差や孤立、社会の分断。一刻の猶予もない温暖化問題。そうした社会の傷に寄り添い、つないで、よりよいコミュニティーを築いていくこと。YMCAは引き続き、「みつかる。つながる。よくなっていく。」働きによって、分裂と憎しみが渦巻く世界をつなぎ、「ポジティブネット」のある豊かな社会の形成を目指して力を尽くしてまいります。

 本年もどうぞ、皆さまのご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。   


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