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機関誌THE YMCA

THE YMCAは日本YMCA同盟が発行している機関誌です

最新号のオピニオン

日本YMCA同盟からの提言

コロナ禍で深刻化する10代少女の虐待、性暴力、孤立 -安心して過ごせる「ホーム」がある社会に-
一般社団法人Colabo(コラボ)代表 仁藤 夢乃

Colaboでは虐待や性暴力被害に遭うなどした少女たちを支える活動をしています。夜の街で家に帰れずにいる少女たちへの声掛けや、10代無料のバスカフェ「Tsubomi Cafe」を開催。カフェでの食事提供や宿泊支援、SNSを通じた相談への対応、児童相談所や警察、病院への同行支援、一時シェルター、中長期シェルターの運営などを行っています。
新型コロナウイルスの影響の長期化により、私たちが関わる10代の少女たちも、これまで以上に困窮し、暴力被害も深刻化しています。学校の休校、外出自粛要請、親のリモートワークなどにより家での時間が増え、他の大人との関わりが薄くなったことから、親からの支配や虐待のリスクが高まり、相談は急増しました。3月から5月までに、例年の半年分を越える300名以上から相談があり、現在も増え続けています。
こうした状況に、性搾取を目的とした業者や買春者がつけこみ、夜の街では、性搾取を目的とした男性たちが100人以上、少女たちに声を掛けています。SNSで「家にいたくない」と少女たちがつぶやくと、10分もあれば20人ほどの男性から「泊めてあげる」「サポートします」「うちに来たら?」と連絡があります。業者も「行 くところがないなら、うちにおいで」「仕事もあるよ」と声を掛けてきます。これはセーフティーネットではなく、女性を商品化し、搾取するための手段です。困っている少女たちを探し、つながろうとしているのが、手を差し伸べようとする大人ではなく、彼女たちを利用しようとする大人ばかりなのです。
一方で、少女たちが公的支援を受けるには高いハードルがあります。そのため、私たちは夜の街で家に帰れずにいる少女たちを「発見し、出会い、つながること」を目的に、アウトリーチ活動を行っています。コロナ禍で、安全な居場所・住まいを確保し、安心して生活を送れるようにするための支援活動にYMCAも協力いただ き、4月から7 月までの間に40名以上の女性に300泊以上の宿泊支援や食事提供を行いました。
安心して過ごせる「ホーム」を持たない人たちは、「ステイホーム」の呼びかけから、排除されています。少女たちの中には、自分の困りごとに気づいていなかったり、共に状況を整理する大人がそばにいなかったり、困ったときに「相談する」ということが思いつかなかったり、「甘えるな、お前のせいだ」と言われて育ち、自分 が悪いと思い込んでいる人もいます。大人たちが彼女たちの声を聞き、彼女たちに責任を押し付けるのではなく、社会の問題として声をあげ、少女を性的に消費する社会を変えていかなければなりません。そして、どんな人たちにも安心して過ごせる「ホーム」がある社会にしていきたいです。



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