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機関誌THE YMCA

THE YMCAは日本YMCA同盟が発行している機関誌です

最新号のオピニオン

日本YMCA同盟からの提言

雲と風からの透明な力
神奈川県海老名市教育長  伊藤 文康

昨年春のコロナ禍による休校措置が終わった6月、子どもたちが学校に戻ってくる姿が私には大変うれしく、「知恵を絞って子どもたちの教育を絶対に守ろう、そ れが私たち大人の使命だ」と強く思いました。海老名市の公立小学校13校の5年生約1200名が毎年訪れているYMCA東山荘と富士山での自然体験教室も同様で す。子どもたちも保護者もこの教室を心待ちにしていました。
コロナ禍での生活の場を離れて自然の中に入れば子どもたちは安全だという思いがあるものの、安心して宿泊できるように受け入れ施設による周到な安全対策も 大切です。子どもたちの大事な成長の機会を守るために、学校とYMCA東山荘が協力して保護者にも丁寧な説明を行い、2020年度も自然体験教室が実現できたことをうれしく思っています。
40数年前、小学校の教員をしていた頃に、宮沢賢治の詩に出会いました。

・・・・・・ 雲からも風からも
       透明な力が
       そのこどもに
       うつれ・・・・
           宮沢賢治 「あすこの田はねえ」より

机の上での学びも大切ですが、子どもたちは教室を飛び出し、様々な体験をする中で多くのことを学びます。自然と対峙し、泣いたり笑ったりすることで、雲からも風からも「透明な力」が子どもたちに注ぎくだるのです。海老名市からも遠くに見える富士山を眺めながら「ぼくはあの山の森の中を歩いた」「わたしはあのふ もとの道を歩いた」と、子どもたちの心の中に自然を感じることができる、これがその力です。
また、自然との関わりと同じように、人との関わりも大切です。例えばボランティア活動を通して、子どもたちは多くの人との関わりを持ち、自分が誰かの役に立っている、誰かに喜んでもらえる、そんな体験をします。
子どもたちが主体的にたくさんの人との関わりをつくり、そこからも「透明な力」が注がれる、そんな体験をこれからもつくっていきたいと思います。



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