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中村哲さんに寄せて

12月4日、アフガニスタンで人道支援に尽くされていた中村哲医師が、銃撃によって亡くなられました。

中村哲さんは、九州大学YMCAのメンバーで、仲間と哲学や聖書に触れることを通して、人間のこころの問題、精神に興味を持つようになり、医学部卒業後は、国立肥前療養所の精神神経科の勤務を選ばれました。
その療養所で患者の話を聞き、相手の世界をそのまま受け入れ、その人の傍らに寄り添うようにして気持ちを理解しようと努められたこと、のちにアフガニスタンという異国の地で、自らの価値観による正義感の押し付けをせずに、彼らの世界を受け入れ大切に、ひたすらに共に生活し、自分ができることをする。若い時代の感受性と学び、経験が中村哲さんの生き方を定めました。

学生YMCAから誕生した、日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)からのペシャワール赴任の打診を、二つ返事で引き受けられ、同時に、YMCAの仲間、志を同じくする人たちによって彼の活動を支援するために設立されたのがペシャワール会であり、事務局は福岡YMCAでした。中村哲さんが37歳のときでした。

中村哲さんの業績や生き方は、たくさんの報道で知ることができます。
その活動の原点の一つに九州大学YMCA、福岡YMCAがありました。学生時代から、多くの人と関わり、自分自身の弱さと向き合いながら社会の課題に気づき、行動をし続けてきた、大切なYMCAの先達のお一人です。

いま、そのバトンを受け継いだ「私たちのこの時」を多くの方と共有し、平和とは何か、地球市民としての私たちの役割は何か、あらためてともに考えることができればと思います。

日本YMCA同盟 
総主事 神﨑清一

             


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