お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

機関誌THE YMCA

THE YMCAは日本YMCA同盟が発行している機関誌です

<最新号一面>

「日中韓YMCA平和フォーラム」上海で開催

 日本、中国、韓国のYMCAから約80人が上海に集まって2月1日~4日、「第9回日中韓YMCA平和フォーラム」が開催されました。このフォーラムは2004年から2年おきに行われているものですが、コロナ禍もあり、2017年以来6年ぶりの対面となりました。
 各YMCAの代表者による平和のメッセージの分かち合いに続き、中国・復旦大学の胡令遠教授から「共に平和の船を漕ぐ⸺変化の世紀におけるユースの使命、責任、そしてその道筋」と題した基調講演があり、歴史を振り返りながら、今後の平和構築のために青年の文化交流への期待が語られました。

 初日のフィールドトリップは、1945年まで日本人が多く居住していた虹口(ホンコウ)地区で、中国を代表する作家・魯迅の記念館等を見学。翌日は、朝鮮が日本により植民地統治されていた当時、朝鮮人独立運動家が集った「大韓民国臨時政府跡」を訪ね、上海の街で交錯した3カ国の人々の生き様に思いをめぐらせました。
 ウクライナ、パレスチナでの戦火が止まず、東アジアでもきな臭い報道が増える中で今回のフォーラムは開催されました。さまざまな対立が深まる今こそ私たちは対話を重ね、交流を通して友情を深め、平和を構築しなければなりません。今後もこのフォーラムを継続し、ここで確認したことを実行しながら、東アジアそして世界の平和の実現のために一層努力していきたいと、参加者一同であらためて確認しました。     (日本YMCA研究所 研究員 田附 和久)

【ユースの感想より】

● 「今のユース世代には、平和を作る力がある」。基調講演で胡教授が語った言葉が印象に残りました。教授いわく私たちの世代は、平和な環境で育っているので戦争を嫌い、平和的な解決方法を選ぼうとする。アニメや音楽など文化交流が盛んで互いに好感をもっている。過去の価値観にとらわれずに未来を考えることができる⸺。日ごろ私は、今のアジア情勢の中で平和を築く難しさを感じていましたが、私たち世代は無力ではないと気づき、励まされました。
 最終日には「平和へのアクション」というテーマでユースによるグループディスカッションが行われ、「対面での交流」「思いやり」「みんなが一つに」といったキーワードが出されました。短い話し合いでしたが、今回をきっかけに交流を続け、平和へのアクションを実行していきたいと思っています。(横浜YMCA職員 肖 欣怡)


● 一番心に残ったのは、中国・韓国の人たちと交流できたことでした。私は大学入学以来4年間、コロナ禍で国際交流の機会がなかったので、お互いに片言の英語で話して交流したことが何より新鮮でした。自分の故郷のキーホルダーなど、たくさんのお土産をくれた中国のユース。堂々と意見を語る韓国の学生たち。一つ一つに発見がありました。
 私は大学で政治哲学を勉強していて、平和について考える機会もありますが、今回のような交流の中に、平和の芽、平和へのヒントがあるんじゃないかと思いました。実際は、短期間だったので深い話をするには至りませんでしたし、3カ国共催の難しさを感じる場面もありました。当初予定の南京を訪問できなかったのも残念でしたが、何年かたった後で、ああそうだったのかと気づくような、自分にとって大きな経験になったと思います。(京都大学YMCA 星 太郎)


最新号(2024年4月号)をダウンロード(PDF 473K)
PDFファイルをご覧になるためにはAdobe Acrobat Readerが必要です

バックナンバー(バックナンバーはPDFファイルでご用意しています)

2024年

2023年

2022年

2021年

2020年