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日本YMCA同盟協議会
分断の世界の中で、みつかる。つながる。よくなっていく。
To Create a Just World

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 年に一度、日本各地のYMCA代表者らが集まって開催される「日本YMCA同盟協議会」が6月21日~22日、静岡県御殿場市のYMCA東山荘で行われ、約140人が参加しました。
 今年のテーマは「分断の世界の中で、みつかる。つながる。よくなっていく。 ~To Create a Just World~」。ウクライナ、ガザをはじめ各地に戦禍が拡がり、分断が深まる中で迎えた戦後80年の節目に、世界YMCAのカルロス・サンヴィー総主事とラズバン・サス氏をお招きして実施しました。

カルロス総主事は、出身国トーゴの民族衣装で登壇

 初日、日本YMCA同盟の事業報告・計画等の協議の後でカルロス総主事は、「世界のYMCAは今」と題して講演。
「世界は分断し、傷つき、癒しを必要としている。YMCAは分断された世界をつなげていく存在でなければならない」「YMCAと出会った人が癒しのエネルギーを感じられるように。語り合い、痛みを共有し、思いやりをもって支え合う。これがYMCAであり、分断に立ち向かう方法です」――。力強いメッセージに、会場は熱気に包まれました。

世界YMCAのラズバン氏によるワークショップ

クイズアプリ「カフート」を楽しむ参加者たち

 協議会2日目には、世界YMCAのラズバン氏から「世界YMCA Vision2030」をテーマにワークショップが行われました。
 「Vision2030を促進するために、あなたができることは何ですか?」
 ラズバン氏は、クイズアプリ「カフート」を使って楽しいワークショップを行うとともに、「世界YMCA Vision2030」が、現代社会におけるさまざまな危機を乗り越えるためにいかに有効かを説き、一人ひとりの参画を呼びかけました。

 あわせて、日本における「世界YMCA Vision2030」の事例として、盛岡YMCAユースによる「子どもの人権プロジェクト」が紹介されました。これは、「誰もが人権について楽しみながら学ぶこと」を目的として4 年前に始められた活動で、昨年の日本YMCA大会でグランプリを受賞。副賞としてプロジェクトの紹介動画が制作され、会場で公開されました。
 動画はこちら(YouTube 5分間)


「子ども人権プロジェクト」を紹介する盛岡YMCAのユースリーダー

YMCA主事として認定された皆さん

 席上で「主事認定証授与式」も行われ、新たにYMCA主事となった8人に認定証が授与。会場からは期待のエールが送られました。

会場には原爆直後の写真パネルを展示

学生YMCAによる朝の礼拝

 会場には戦後80年を覚え、米海兵隊写真家ジョー・オダネル氏による原爆投下直後の写真を展示。ローマ教皇によって広められた『焼き場に立つ少年』の写真の前でカルロス総主事は数分間、祈るようにして鑑賞されました。
 学生YMCAが主催した朝の礼拝も「平和」をテーマに行われ、全員が輪になって手をつなぎ、平和のメッセージを語るひとときがもたれました。


聖日礼拝の司式をされた中道基夫牧師(同盟常議員)

礼拝で、平和への思いを語ったウクライナの青年

 聖日礼拝は「To Create a Just World」と題して、中道基夫牧師(同盟常議員)の司式で行われました。中道氏は「この礼拝が小さな平和のはじまりとなるように」と、有刺鉄線で作った十字架を飾り、戦争犠牲者の嘆きの言葉の朗読とウクライナ青年のスピーチを交えて説教。「恐れが暴力を生む」という被爆者の言葉を紹介し、聖書には「恐れるな」という言葉が100回以上も登場すること、私たちは次世代に戦争の恐ろしさを伝えるだけではなく、恐れを乗り越える愛の物語を伝え、恐れによる暴力の連鎖を防がねばならない、と語られました。

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 2日間の学びをとおして私たちは平和への思いを新たにし、今後も世界YMCAVision2030の実現に向けて世界との連携を強めながら、地域社会のニーズに叶う活動を展開していくことを確認。カルロス総主事、ラズバン氏とは、2026年にカナダで開催される世界YMCA大会での再会を約束して、散会しました。


協議会後、広島を訪問

被団協の箕牧さん、佐久間さんと共に原爆慰霊碑に献花

広島YMCAに感謝のメッセージが贈られました

 会の前後にカルロス総主事とラズバン氏は、「全国YMCA総主事会議」に登壇したほか、東京、横浜、大阪、広島YMCAを訪問。特に広島では、広島平和記念資料館を見学し、昨年ノーベル平和賞を受賞した「日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)」の箕牧智之さんと佐久間邦彦さんから被爆証言を聴きました。
原爆の脅威を目の当たりにしたカルロス総主事は「次世代のために、核兵器のない世界の実現に向けて行動しなければならない」と述べ、原爆慰霊碑に献花しました。 また、戦後直後から被爆者とともに平和の実現に努めてきた広島YMCAに対して、カルロス総主事から「敬意を表します」とのメッセージをいただきました。

 協議会とその後の研修等を通じて参加者からは、
 「YMCAという、世界のファミリーの一員だとあらためて実感した」
 「日々のYMCAの活動が、世界のYMCAの働きとつながっている。世界のムーブメントの一つを作っていると感じた」などの声が寄せられました。

 またカルロス総主事とラズバン氏からは
 「日本の皆さんは、調和や平和を大切にしている。宗教の対立もない。ぜひその声をもっと世界に向けて発信し、世界をリードしてほしい」との感想をいただきました。

写真アルバムはこちら
https://photos.app.goo.gl/9Q9SfS6YBTi3Dcgv7