【能登半島地震/豪雨】支援活動の近況
能登半島地震からまもなく一年が経ちます。9月には豪雨にも見舞われ、「二重災害」という苛酷な経験をされた被災地の皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
YMCAは地震直後から避難所の運営サポートを担い、豪雨後は泥かきボランティアを派遣してまいりました。これまでに派遣したスタッフ・ボランティア数は延べ300人余となりますが、雪の季節には作業困難なことから11月末でいったん派遣を休止しました。
替わって冬の間は、主に子どもを対象としたリフレッシュプログラムを実施しています。12月8日には富山YMCAのスタッフと中学生6人が町野町を訪れ、現地の小中学生とともにピザ作りを楽しみました。冬休み中には富山YMCAが行うスキーキャンプに招待するなど、楽しい体験によって被災地のご家族を応援していく計画です。
YMCAが関わってきた輪島市町野町では12月現在、町を覆っていた土砂は減り、インフラの復旧も進んでいますが、個人宅にはまだ泥が残ったまま。解体工事も遅れ、仮設住宅で冬を迎える方々が多い状況です。
さらに仮設住宅は停電も多く、炊飯の途中で電気が切れてご飯が炊けなかったり、お風呂のお湯が沸かなくなったり。今年の冬は雪が多いという予報もある中、融雪装置もなく、床も低いため、雪かきや寒さ対策に不安の声もあがっています。「街の明かりが足りない。暗い」とも聞きました。
スタッフ所感 ~町野町を訪問して~
*4月から避難所支援をはじめサマーキャンプや泥かき等をしてきた富山YMCAの上村香野子総主事にインタビューしました。
12月8日、私たちは雨の富山を出発して輪島に向かったのですが、途中の「さくら峠」はびっくりするほどの大雪で、町野町の到着は一時間も遅れてしまいました。でも、町野町の小中学生は私たちを待っていてくれました。
「みんなでお揃いの三つ編みにしたんだよ」と、調理に来たとは思えないほどオシャレをしてきた子たちや、夏のYMCAキャンプでプレゼントした半袖シャツを着てきた子。他の用事をキャンセルしてきた子どもたちなど、みんなこの日を楽しみに来てくれました。
ピザ作りでは、生地をハート型にしてみたり、トマトを山盛積み上げてみたり。富山YMCAの子どもたちともすぐに仲良くなって、まるで昔からの友だちだったかのように大騒ぎ。帰るときには「(輪島に)転校してきてほしいな」なんて会話も聞こえました。
町野町では他県に転校していった子も多く、また学校が避難所になっていることもあって、子どもたちは隣町の小中学校にスクールバスで通っています。他校の生徒と過ごす学校生活は楽しいこともある反面、いつも遊んでいたお友だちがいないし、下校後に遊ぶ場もなくなってしまった。ピザ作りにはしゃぐ子どもたちには、日常が失われてしまった寂しさも垣間見えました。
「冬休みになったら富山YMCAのスキーキャンプにおいでね」。私たち富山YMCAでは、能登の子どもたちの招待枠を用意して参加を呼び掛けていますが、雪の季節に「さくら峠」を越えて富山まで送迎するのは難しく、保護者もYMCAも困っています。
でも子どもたちは「スキーじゃなくてもいいの。一緒にお菓子食べたりするだけでいい」「動物園ならいけるかな」ーー。そんなたわいのない友だちとの時間を楽しみにしています。「友だちがほしい」という声もありました。何とかしてあげたいと思います。
帰り道に寄った公民館には、以前に富山YMCAが送ったメッセージカードが飾ってありました。町野町支所の方々は、体育館も調理室も全部開放して待っていてくださいました。
復興への長い道のりに私たちができることは限られますが、とにかく訪問する。声をかける。メッセージカードを贈るだけでもいい。
ささやかな交流やちょっとした楽しい時間の積み重ねが、被災地の励みになるのだと思います。
同時にこの体験は、訪れた私たちにとっても貴重なものです。4月から支援に携わる中で私たちは多くのことを学ばせていただきましたし、心洗われるような経験もしました。これからもこのつながりを大切に、微力を尽くしていきたいと思います。
YMCAは今後も、皆さまからお預かりした募金をもとに、必要な支援を届けてまいります。引き続きご理解・ご協力をお願いします。
募金のお願い(豪雨災害の復興募金)
◆募金期間: ~2024年12月31日まで
◆募金使途:
・輪島市町野町を中心とした、豪雨被災地域での支援活動費(ボランティア派遣費用等)
*地震による被災者支援活動も、引き続き実施しています。
◆募金方法: 各YMCAの窓口へ直接お持ちいただくか、以下にお振込みください。
①郵貯振替:日本YMCA同盟災害支援募金口 口座番号:00130-4-696497
・「2024能登豪雨」とご記載ください。
②銀行振込/クレジットカード:こちらのWebページ⇒から送金ください
*銀行の口座番号は、募金使途確認などのため、一度メールを送信いただいた上でお知らせしております。ご不明な点などございましたら、遠慮なくお問い合わせください。