ウクライナから日本へ 避難者を支援中

「ウクライナの母を日本に避難させたい」。3月初旬に寄せられた1人の方の相談を受けて日本YMCA同盟は、ヨーロッパYMCA同盟・ポーランドYMCAと連携を図り、出国手続きやビザ書類作成、待機期間中のホームステイ提供など、来日までの2週間を伴走サポートしました。
この件がテレビ等で報道された後、YMCAには次々と相談が寄せられるようになり、4月22日現在までに33組78人の来日および来日後の生活をサポートすることとなりました。日本に親戚のいる方、まったく知り合いのいない方、持病や障がいのある方、経済的困難をかかえる方、保育や教育を必要としている方など、避難される方のニーズは一人ひとり異なりますが、YMCAは皆さまからお預かりした募金を用い、他団体とも協働しながら手探りの対応を続けています。
4月12日にはオンラインで緊急報告会を行い、具体的な取り組みをお伝えするとともに、来日されたウクライナの方々にも今の心境や今後の課題などをお話いただきました。以下、その一部をご報告します。
具体的な支援内容
(3/18ロパテンコさんの例、所要日数2週間)
◆ヨーロッパYMCAによる出国支援
・ウクライナでの避難ルート確保、・国境付近での出迎え、
・ワルシャワでの出迎えとホームステイ、・ビザ申請同行、
・病院、PCR検査への同行、・空港送迎
◆日本YMCAによる来日支援
・現地との連絡、・日本側家族との連絡、・ビザ用書類作成支援、
・航空券手配、・空港出迎え、・PCR検査同行
◆来日後のサポート
・隔離期間の支援、・生活プランの立案、・行政支援への橋渡し、
・引っ越し支援、生活物資および生活費の支援、
・就業自立、教育保育の確保、コミュニティー定着など

避難の事例/避難者の声
◆キーウからの母子:
日本に知人はなく、東京都の「ウクライナ避難民ワンストップ支援」を申請中です。東京都による支援が開始されるまで、YMCAが生活支援を行っています。
⇒「子どもの安全と教育を考え、日本に避難してきました。早く就職して自立した生活ができるようになりたい。誰かを支援できるくらいに強くなりたいです」
◆ドネツクからの母と姪:
大阪に住む娘さんのところへ、63歳の母と12歳の姪が2人で避難してきました。
⇒「姪の両親はウクライナに残ったため、不安です。姪は両親と頻繁に連絡をとっていますが、トラックの音を警報と勘違いして怯えることもあります。明るいアニメなどを見せて落ち着かせようとしていますが、泣いていることも多く心配です。」
◆ドネツクからのご家族:
生後6か月、2歳、5歳のお子さんを連れ、家族5人で広島在住の姉家族の元に避難予定。当初は、乳児を連れて戦闘地域を移動するのは不可能と言われていたが、偶然が重なり父親も一緒に来日できることになりました。
⇒(広島のご家族は)「妹一家が避難してくることが報道された後、ベビーカーなど子ども用品を寄付くださる方も出てきて感謝しています。新しい生活が軌道にのるまで不安もありますが、支え合っていきたい。」
支援の必要
来日サポートをする中で、さまざまな問題とさらなる支援の必要性もみえてまいりました。
<出国・渡航の課題>
●経済的な問題:
ウクライナの平均月収は約4万円に対し渡航費は25万円程度。家族4人で移動するには、日本の物価に換算すると約1千万円程度かかる。
●移動の危険:
避難ルートが安全でない上、迂回や蛇行、混雑(4人席に10人掛けで数百キロ移動)など負担が大きい。
●現地の家族を説得できない:
移動の不安、英語が話せない、渡航経験がないなどから家族内で意見が分かれることも多い。
●成人男性が出国できない:女性、子ども、高齢者だけでの移動となる。
<来日後の課題>
●電話がない:番号つきシムカードがないとウクライナの家族と連絡がとれない
●住宅の確保:特定活動ビザがおりるまでは、住宅や電話の契約ができない。自治体による支援は、まだ整備されておらずワンストップになっていない。
●言語の問題、メンタルケアの必要
●子どもの保育・教育:短期滞在ビザでは、保育園・学校に通えない
●日本での生活になじめない:ゴミ出しなど地域での生活サポートが必要、など
先行きの見えない状況ですが、YMCAは各地で運営している保育園やインターナショナルスクール、日本語学校、地域コミュニティーセンターなどを活用し、また他団体とも協働しながら尽力してまいります。引き続き、ご理解とご協力をお願いします。
避難をご希望の方へ ~サポートのご案内~
サポートをご希望の方は、こちら⇒をご覧ください。(ウクライナ語、英語でのご案内があります)
募金のお願い
募金期日は4月30日までとしておりますが、引き続き第2期支援募金を実施予定です。お預かりした募金はヨーロッパYMCA同盟および日本YMCA同盟を通し、避難者の受入れ支援、生活支援、復興支援のために用いられます。ご協力をお願いします。
お問い合わせ先 | |
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名称 | 公益財団法人 日本YMCA同盟 |
所在地 | 〒160-0003 東京都新宿区四谷本塩町2番11号[地図] |
電話番号 | 03-5367-6640(代表) |
FAX番号 | 03-5367-6641 |
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