2020年を迎え、世界YMCA同盟総主事のカルロス・サンヴィー氏よりメッセージが届きました。
皆さんと共に歩みを始めて1年がたちました。
2019年は多くの若者が、人類最大の課題―気候変動、経済格差、激動の民主化の動きなど-に挑む姿を見てきました。若者は、嵐のように世界を隅々まで席巻しています。彼らの声によって、私たちの目と心が再び開かれています。2019年、私たちは175年にわたる素晴らしいYMCAの歴史を祝いました。
私たちの運動は、広大な果てしない海のようです。常に動き続け、その波が凪ぐことはありません。もし波が凪いだとしても、その下の深いところの流れは絶えません。ここ数か月の間、私は多くのYMCAに招かれ、そのビジョンに耳を傾けました。皆さんにお会いするたびに、皆さんの懐に飛び込む感触を噛み締めました。コミュニティのニーズに応えるためにともに取り組むとき、私はまるで故郷のトーゴで15歳の少年に戻ったような感じを覚えます。当時、レンガや材木をひとつひとつ積み上げるように、YMCAを築きました。コミュニティのニーズに基づいて、私たちのビジョンを実現するための組織づくりを行いました。そのようなとき、私はすべての人が大切にされる場所というものを実感したのです。40年後の今も、YMCAにおける私の信念とそれが描く一人一人の未来はゆるぎないものです。
YMCAは常に一人ひとりが大切にされる場所です。しかしながら、若者の声として、彼ら・彼女らを未来へ導いてくれるはずの体制やリーダーへの信頼が失われているということがあるのも知っています。世界の至る所で信頼関係の危機が起こっていることが見てとれます。YMCAは若者の信頼を取り戻すことを目指す運動体になろうではありませんか。信頼は過去の栄光の上だけでなく、現在への謙虚かつ大胆な献身の上に築かれるものです。これまで通りのやり方では、若者の信頼を取り戻すことはできません。過去を変えることはできませんが、未来を作ることはできます。そして過去から学び、前へ進もうとするのであれば、私たちは過去を真似たり再現しようとしたりしてはいけません。
潮目は変わり続けます。未来は常に私たちの足元にあります。私たちは一瞬一瞬、チャンスと挑戦とともにあります。不確実なとき、水夫は水平線のかなたにある希望を見つけるために、空を見上げました。目的地に到達するための、ある一点、つまり北極星を追いかけました。北極星がその姿を見せないときでも、北極星がそこにあることを知っていました。一晩中嵐が吹き荒れても、北極星は変わらずそこにあります。自身たちが求めるものに答えるために、世界的な運動体として、北極星、私たち共通の目標を見つけなければなりません。新しい年が始まりました。この前例のない逆風に立ち向かっている、頑強な船であり献身的な乗組員である皆さんに感謝を申し上げます。強風の中でコースをはずれないようにするための力とは、目の前にある旅への挑戦から学んだことを応用し、現実に活かし前に進み続けることです。未来に向かって舵を切るために、もう一度、私たちの革新的な協働を呼び掛けたいと思います。水平線へ目を向けなければなりません。私たちの活動をあらゆるレベルで実施しなければなりません。生産的な対話を通して、2044年に向けて私たち皆にとっての北極星を明らかにしていなかければなりません。私たちの運動の優先課題として、ユース・エンパワーメントを継続することを約束します。そしてテクノロジーをもっと活用し、より効果的で協働的な方法で協働し対話することができるよう努力します。新しい年の始まりにあたり、私は運動のあらゆるレベルで、皆さんとの信頼関係の構築に努めます。ともに勝利を喜び、同時に答えが分からないとき、不確かなときには正直に伝えます。理事長のパトリシア・ペルトンおよび世界YMCA同盟の理事会に代わり、平和で意味のある2020年になりますように、また、皆さんが神の平和と愛とともにいつも歩むことができますよう、心からお祈り申し上げます。
Happy 2020。
お問い合わせ先 | |
---|---|
名称 | 公益財団法人 日本YMCA同盟 |
所在地 | 〒160-0003 東京都新宿区四谷本塩町2番11号[地図] |
電話番号 | 03-5367-6640(代表) |
FAX番号 | 03-5367-6641 |
メール | お問い合わせフォームをご利用ください。 |