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YMCAせとうち
【報告】台湾と日本のユースが災害復興支援ボランティア

             

9月5日~12日、日本と台湾のユースが、倉敷市真備町で災害復興支援ボランティアに入りました。

■ジョグジャカルタ・ユースピースキャンプ 毎年9月にインドネシア(ジョグジャカルタ)で、18~35歳のユース世代を対象としたピースキャンプを実施しています。
このキャンプは、日本・台湾・インドネシアのユースが集まり、農村でのホームステイを経験しながら、違った文化・習慣・宗教をもつ人たちで互いに理解し合い、平和を創り出す者となるための学びをしています。

■ユースピースキャンプからワークキャンプ実施へ 岡山は「晴れの国」と言われるほど雨が少なく、また災害の少ない土地でもありました。しかし7月6日から降り始めた雨は、これまで経験したことのないような猛烈な降り方で、「特別警報」という聞き慣れない気象警報が発令され、岡山市・倉敷市・総社市・高梁市では床下浸水。小田川の堤防が決壊した倉敷市真備町では2階床上まで浸水という状況でした。岡山県内では61人の尊い命が失われ、4,484棟が全壊、3,360棟が半壊、一時は25,000人以上の方々が避難していました。
そのため、ジョグジャカルタでのピースキャンプを中止し、岡山にこれらのユースを招き、共に被災地支援をおこなっていくワークキャンプを実施することとしました。

             

ボランティアが発見した臼で餅つき

9月5日~12日、日本と台湾のユースが、倉敷市真備町で災害復興支援ボランティアに入りました。

■スケジュールと作業内容 インドネシアからの参加者はビザの取得に時間がかかるため、今回は残念ながら参加することが出来ませんでしたが、台湾(彰化)YMCAから4人、YMCAせとうちから6人、岡山ワイズメンズクラブから1人の参加者を得て実施されました。
■スケージュール 9月5日 彰化YMCAからの参加者が、岡山空港に到着。YMCAでオリエンテーション。
9月6日 倉敷市真備町川辺にて餅つきに参加。岡山キリスト災害支援室(岡キ災)が支援活動を行っていた家で実施された餅つき。偶然ボランティアが庭で発見した臼をきっかけに、みんなで以前のように餅つきを、となり、①餅をつく、②餅を丸める、③もち米をつく等々の協力を行う。
9月7日 倉敷市真備町川辺の住宅にて①床板剥がし、②壁板剥ぎ、③釘拾い、④断熱材運び等のワークに参加。
9月8日 倉敷市真備町川辺の住宅(前日とは別宅)にて住宅の床下清掃作業のワークに参加。
9月9日 日曜礼拝、倉敷市内観光
9月10日 社会福祉法人浦安荘訪問。平和のワークショップ。
9月11日 倉敷市真備町川辺の住宅の①壁の打ち抜き、②石膏ボード運び、③床下清掃等の作業に参加。
9月12日 キャンプの振り返り。職員礼拝に参加。彰化YMCAメンバー帰国。

床下をみんなで綺麗にしました

もっとたくさんのボランティアが必要

■まだまだ必要な支援の手 私達が支援活動で真備町に入ったのは、ちょうど災害発生から2カ月目でした。倉敷市広江の聖約広江教会に事務所を置く「岡山キリスト災害支援室」(岡キ災)のコーディネートにより、個人宅の床板剥がし・床下清掃(泥のかき出し)、壁板剥がし、壁板の打ち抜き等々の作業をさせていただきました。
私たちの他にも韓国のオンヌリ教会から約10人のユースボランティア、関西地区の福音派教会の方々など、多くのボランティアが参加して、共に汗を流しました。活動中、2カ月経っているにもかかわらず、床板を剥がすと床下に泥水が溜まっていたり、壁板の中にある断熱材を剥がすと、水が滴り落ちる状況。今年は暑い夏でしたが、蒸発することもなくそのまま残っていたことに驚きました。
作業は20分毎に休憩を入れ、水分補給をしながら体調の変化に注意して行われましたが、真夏の作業はもっと暑かったであろうと想像しました。台湾の彰化YMCAから参加してくれた4人の仲間たちは、YMCAせとうちのリーダーたちと一緒に作業をすることで、言葉の不自由さもあまり感じることなく、作業に集中することが出来ました。休憩のときには他のボランティアや家人と災害発生時の話をすることもありました。「ボランティアは何をしたか、ということも大切ですが、もっと大切なのは災害にあわれた方の声に耳を傾けることだと感じました。」と話していたユースがいました。
私達の作業のほとんどは手作業でした。しかも20分おきに休憩を取るため、作業時間も短いのが現状です。しかしこのように1つ1つのお宅に伺い、出来ることを精一杯するボランティアワークは、効率や成果優先の今という時代の中で、とても大切な価値を私達に示してくれているように感じました。岡キ災のモットーは、「安全・丁寧・ゆっくり」です。たとえ泥だらけになっていて、私達にはゴミのように見えるものであっても、家人にとってはかけがえのない大切な思い出の品かもしれないということを、いつも覚えて丁寧に扱うようにと毎朝確認がされていました。
10月になり、ボランティアの数が半減しています。しかし復興までは、まだまだ時間がかかるとの見通しです。これからはどのようにしてこれを継続していくか、ということが大きな課題になります。皆様の継続した支援を今後もお願いいたします。

YMCAせとうち 白鳥雅人