新年にあたって
~世界規模でのYMCAの取り組み~
新しい年を迎えました。
2017年10月に日本のYMCAは新しいブランドコンセプトを発表しました。ブランドスローガンである「みつかる。つながる。よくなっていく。」はYMCAの限りない可能性を示していますが、その特長のひとつは世界119の国と地域で活動するYMCAのネットワークと強い結びつきにあります。
昨年11月に、チェコのレミシュトルという小さな町で、世界YMCA同盟ストラティジー・デリバリー(戦略共有のための)・サミットが開催され、日本から日本YMCA同盟の山根一毅スタッフが参加しました。
そこで話し合われたトピックから、YMCAが現在、世界規模でどのようなことに取り組んでいるかをご紹介します。
取り上げられたトピックは以下の5項目です。
1. セーフ・スペースとしてのYMCA
今、世界のYMCAがもっとも力を入れていることがらのひとつです。価値観の多様化、さまざまな差別や偏見、性別、年齢、身分、宗教や貧富の差などによる不公正といったことによる心理的・物理的暴力を排除し、全ての人が受け入れられ、安心できる場所(セーフ・スペース)としてのYMCAを世界中で実現しようとしています。
2. 若者にとって公正な社会の実現
「セーフ・スペース」をもっとも必要としているのは若者たちです。世界中で起きている紛争、災害から日常の生活まで、さまざまなレベルで若者たちの声は社会から無視されています。この不公正な社会の是正のために何が必要でしょうか。それはユース・エンパワーメント、つまり若者たち自身の手で未来を創る社会を実現することです。
3. SDGsとユース・エンパワーメント
YMCAでは、世界の若者をとりまく課題として「職業・就労」「健康」「社会参画」「環境」にフォーカスしています。これらは、国連による17の持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の「3.すべての人に健康と福祉を」「8.働きがいも経済成長も」「13.気候変動に具体的な対策を」「16.平和と公正をすべての人に」と連携して取り組まれます。
4. 世界でのYMCAの認知度を高めよう
上記のように世界のYMCAは近年、イエス・キリストの生き方から学びつつ、ユース・エンパワーメントの実現、そして、若者にとって不公正な社会からの変革に取り組んでいます。世界には若者たちが関わる大きな団体が6つあります。赤十字、ボーイスカウト、ガールスカウト、エディンバラ公国際アワード、そしてYMCA。比較すると、YMCAの認知度やマスコミの注目度はそれほど高いとは言えません。世界のYMCAはこれまで以上に結び付きを強め、一貫した主張と取り組みを行う必要があります。
5. 必要とされるリーダーシップは「サーバント・リーダーシップ」
YMCAをもっと多くのユースが関わる強固な組織とするために必要なリーダーシップ像とはどのようなものでしょうか? YMCAでは知識や経験以上に、そのリーダーの人格、信条や価値観が重要であると考えています。イエス・キリストは弱くされた人々に仕えるサーバント・リーダーでした。世界の若者がまさに先頭に立つリーダーだとすれば、YMCAにはその若者に仕えるサーバント・リーダーシップが必要であると考えています。
世界のYMCAと連携し、さらに多くのユースが参画する、社会により良いインパクトをもたらすための組織へと変化を続けていきます。 2018年もどうぞよろしくお願いいたします。
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