カンボジアYMCA
シェムリアップ・チャイルドケア・プロジェクト視察報告
シェムリアップ郊外のチャイルドケア・プロジェクトを訪問しました
アンコールワットで有名なシェムリアップの郊外でカンボジアYMCAが運営するチャイルドケア・プロジェクトに、11月30日(木)~12月1日(金)の2日間、横浜YMCAの高村スタッフと日本YMCA同盟のスタッフの山根が訪問しました。このプログラムがスタートしてから3年、全国から寄せられた国際協力募金がこのプロジェクトを支えています。
観光業を中心に多くの人々が仕事を求めて集まるシェムリアップ。
しかし町のはずれには、十分な収入を得ることができずに、賃料のいらない路上に簡素な家を建てて人々が暮らす地域があります。Kok Chork地区のVeal村もそのような地域のひとつで、約500家族がそのよう環境で生活しています。父親のわずかな収入で暮らす家族、片親の家族など、生きていくためには幼い子どもたちを家に残して働きに出なくてはなりません。
YMCAのチャイルドケア・プロジェクトは、3~5歳の子ども20名が無料または月々5ドル以下で通い、このような状況にある家族の親が安心して子どもたちを預け、働きに出やすい環境を提供しています。また、貧困を理由に教育を重視しない親たちに教育の価値を伝え、チャイルドケア卒業後には地元の公立の学校に通う子どもたちが増えてきました。
5歳になるクライニン(Krainin)くんは、ホテルのプール清掃をして働くお父さんと二人で暮らしています。とても活発な子どもですが、寂しがり屋でチャイルドケアのスタッフのエスタ先生の気を引くためによくいたずらもします。大人たちの足にまとわりついたり、ハグをしてきたり、愛情を求めていることがよくわかります。最近は、勉強や友達と仲良く遊ぶことの楽しさがわかってきて、毎日チャイルドケアにくることを楽しみにしています。
同じく、5歳のサクラ(Sakura)ちゃんは、1年前からチャイルドケアに通っています。両親が育児を放棄したために、祖父母と一緒に暮らしていますが、チャイルドケアに通い始めたときには、成長の遅れから言葉のやり取りができず、トイレの使い方や鉛筆の使い方なども知りませんでした。祖母もはじめはチャイルドケアに通わせることに反対でしたが、エスタ先生の熱心な働きかけにより通い始め、いまでは友達と笑顔で話をしたり、身の回りのことも自分できるようになりました。
日本のYMCAは今後もカンボジアYMCAと一緒にこのプロジェクトを支えていきます。今後は施設の拡充と共に、地域の女性たちの就労支援や、子どもたちが公立の小学校に通うための奨学金制度も検討しています。
子どもたちへの教育を通して、この地域に住む人々の暮らしが少しでも良くなっていくことを願っています。
* ご支援くださっている皆さまに心から感謝いたします
2016年は、日本全国からYMCAに寄せられた募金の一部から約50万円が、また、横浜YMCAからも約70万円がカンボジアYMCAに送られました。シェムリアップ・チャイルドケア・プロジェクトをはじめとする子どもたちへの支援や高齢者支援に用いられています。
日本YMCA同盟
山根一毅
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