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【報告】ネパール訪問

2015年4月25日にネパールで起きた地震の被害に対し、全国より約1,390万円の募金が寄せられました。2017年2月19日から25日に訪問したネパールと支援先の様子をご報告します。寄せられた募金はネパールYMCAを通し被災した児童・生徒200人(各学校から数名~数十名)の学用品や制服などの支援(スカラシップ)と建物に被害のあった小学校の再建支援に使われています。

震災から間もない2015年12月にスタッフが訪問した際には、隣国インドの経済封鎖によってガソリンが高騰し、行き交うバイクや車がとても少なかったそうですが、今回の訪問では街が活気づいて、市内の道路は時折渋滞し人々の表情は明るくなってきていました。物資や人手不足の影響がある中、ゆっくりとしたペースで震災前の街や人の様子が戻りつつある様子です。

目的地に向かう車窓からは山肌に小麦やジャガイモ、黄色い菜の花に似たマスタードの段々畑や棚田が、集落ではレンガをひとつひとつ手で積み上げながら家を建てなおしている様子が多くみられました。訪れた多くの村では家の裏で牛、ヤギ、鶏を出荷用として飼い、村の水場で洗濯をする様子や、水くみのタンクを背負って歩く姿など素朴な生活の様子が見られた一方、スマートフォンの利用が多く見られ、生活様式とIT技術の普及とのギャップを感じました。ネパールでは多くの人が海外に出て働き、家族の生活を支えています。そのため英語の習得が重要で、幼いころから英語教育に力を入れている学校に子どもを通わせる家庭が多くあります。村で出会った人は人なつこく、話しかけてきたり、カメラでの撮影をリクエストしたり、時には家の中を見せてくれました。

訪ねた学校で学ぶ生徒たち

レンガを一つずつ積み上げながら家の再建がすすむ

YMCAが支援する被災児童の所属する学校と、校舎の再建を支援している小学校を訪問しました。ネパール郊外にあるイングリッシュセカンドリースクールには、カトマンズ近郊に暮らすスカラシップ受給生徒200人のうちの23人が在籍しています。将来の夢を聞くと、「先生」「建築家」「シンガー」「医者」「ビッグになる!」「フットボール選手」など思い思いの声が聞かれました。震災によって勉強をあきらめることなく、大変な状況でも一生懸命頑張っている様子が伝わってきました。

カトマンズから5時間ほどかけて訪ねたダーディンという地域のパンチャムキ小学校は、山岳地帯の中腹の尾根に建てられた小さな学校です。1年生から10年生の200人の子ども達が通っていますが、地震で壊れた校舎の代わりに2階建の校舎を建てることができました。6つの教室がある新校舎は白とピンクに塗られ、子ども達の賑やかな声に溢れています。私たちの訪問の日に合わせて、踊りや歌で落成式が行われました。

神戸YMCAを通して神戸市社会福祉協議会が支援するスンダラデビの小学校では1年生から12年生まで約400人の子ども達が学んでいます。私たちが訪問するとみんなで出迎えてくれました。キラキラ目を輝かせる子ども達は先生の話をよく聞き、大きい子は小さい子の様子に気を配っていました。しかし、校舎は地震で崩れ、仮設の校舎と修理した校舎で勉強をしています。ここに、募金によって新しい校舎が出来ました。子ども達が学校で学ぶことは地域のためにとても大切なことだと先生たちは話していました。また子ども達がより良い環境で学べるように考えています。

子どもたちがよく学びよく遊んで成長していくことはネパールの人々にとって希望となっています。今後は現地でのワークキャンプ実施など、互いに顔の見える関係の中での支援をネパールYMCAと協働して行っていきます。

【募金の報告】(2017年3月23日現在) <募金額>
◎全国のYMCAを通して寄せられた募金 12,000,709円
◎神戸市社会福祉協議会を通して寄せられた募金 7,383,888円
<使途>
・生徒の支援 1,668,300円(200人の生徒)
・学校再建の支援 8,322,163円(2か所)
・現地訪問、招聘 1,269,048円(2回のべ5名訪問 1名招聘)

制服やカバン、文具などの学用品を受け取る子どもたち

新しい校舎は募金によって建てられた屋上には、増築を見越して柱が立っている

新しい校舎の前で落成を祝うダンスを披露



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