広島原爆の日に際し
今日は、広島に原爆が投下され69年目となる「原爆の日」です。今朝、広島平和公園で式典が行われました。松井一美市長は平和宣言で「次の世代に伝えたいこと、望むこと」をテーマに被爆者の体験談を交えて、核兵器を「絶対悪」として2020年核兵器廃絶を目指し、来年春ニューヨークで開催される核不拡散条約(NPT)の再検討会議に向け、核保有国と非保有国の「橋渡し役」となる事を訴えました。また、戦争文化に基づいた武力による外交ではなく、民間交流を通して対話による平和文化の構築の必要性を訴えました。まさに、前広島平和文化センター理事長スティーブン・リーパーさんが積み上げてきた核兵器廃絶の主張を反映したスピーチでした。
一方で、政府は、軍事抑止力による平和の維持という名目で集団的自衛権容認を閣議決定しました。また、武器輸出三原則を変えて「防衛装備移転三原則」を閣議決定し、事実上の武器輸出を推進していく方針を決めようとしています。共に「戦争を放棄し、加担しない」憲法に反するものであり、広島・長崎原爆投下に対して「安らかに眠って下さい。 過ちは 繰返しませぬから」と誓った事を忘れ去っているように思います。
世界では、イスラエルの攻撃によってガザ側の死者数は1810人、負傷者は約1万人に達しています。約7割が市民で、18歳未満の死者は350人以上に上っているようです。日本の政府は、7月23日国連人権理事会がイスラエル非難決議をした際に棄権しました。無辜の市民を虐殺するイスラエル軍に対して武器の輸出も予定されているという報道もあります。原爆で多数の子どもを含む市民が殺戮され、またアジアに2千万人という犠牲者を出した日本のかつての軍事行動を顧みず、広島市長の平和宣言と全く反する今の方向性を私たちはどのように考えるのでしょうか。
広島と長崎の原爆の日。
犠牲となった人々、今も原爆の被害で苦しみの中にある人々、そして、福島原子力発電所事故で被災している人々のことを思い、平和文化をつくる決意を新たにしたいと思います。どうか、日本が武力によって平和を築く道を歩むのではなく、平和憲法によってこれまで築いた平和文化の力をこれからも継承し、平和を築く努力をするように祈ります。
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会長 末岡祥弘
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