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北海道YMCA
ベトナムボランティアワーク報告

北海道YMCAが実施しているベトナムでのワークキャンプは、1996年にベトナムにおけるYMCA運動復興を支援するするために始まりました。 ベトナムの地域の人々とYMCAが協議して決めた教室の建設を北海道YMCAが建設資金の援助とボランティアワークを通じて、その計画を支援してきました。



学校の贈呈式後に参加者全員(北海道・ベトナム)で記念写真

これから新しい学校で学ぶ子どもたち



都市部の子どもたちは、施設の整った環境で質の高い教育が受けられる一方で、農村部では学年数より教室の数が少ない状況(1つの教室を複数の学年が交代で使う)がまだ多く見受けられます。十分な学習時間が確保できないため教育の格差が生じており、その状況を改善するための活動を行っています。 その地に生き、暮らす人々と現地のYMCAが協働で計画を立案することで、本当に必要な、緊急性の高いところに教室を作ることが可能となっています。

建設資金は北海道YMCA国際協力募金から支出されています。北海道の子どもたちには「自分たちにもできるベトナムの子どもたちへの支援活動」として、バザーや街頭募金の前にベトナムのこと、国際協力募金のことについて話を聞く時間を設けています。3才から話を聞いている子どもたちは、現地の写真を通じてベトナムを身近に感じ、また、自ら国際協力に関わろうとする意識が育っています。

現在、アメリカのヒューストンYMCA、マサチューセッツYMCA、シンガポールのシンガポールYMCAが北海道YMCAと同じ地域で教室建設の活動を行っています。実施時期・予算・実施方法に違いはありますが、それぞれが独自の考えに基づいて活動しながらもベトナムにおけるYMCA運動を推進する役割を担っています。



<2017年度 ベトナムボランティアワーク概要> 日程:2017年8月2日(水)~12日(土)
訪問先:ベンチェ省及びホーチミン市
参加者:6名

完成間近な教室の窓をみんなで清掃

ベトナムのユースと



5回目のベトナムボランティアワークの旅報告
2011年に初めて「ベトナムボランティアワーク」に参加して、今年で5回目となりました。今年はワークの案内がなかなか来なくて少し心配しましたが、実施できてよかったです。当初は参加予定人数が4人! しかも平均年齢が高い! ということで、また心配になりましたが前にもご一緒した福澤さんと新しく石丸さんが参加と聞きホッとしました。

今回のボランティアワークはベトナム側の受け入れ先が変わりましたが、これまでと同じように普段ではいけない施設の訪問や教室作りのワークもできました。本当によかったです。

ワークに参加したのは日本から行った6人とベトナムのスタッフ1人、通訳・学生ボランティア3人の合計10人と、いつもに比べると少ないメンバーでした。でも、みんなの集中力と協力で、人が少ないことを感じさせないくらいスムーズにワークが進みました。今年は雨が多く外壁を塗り直すことになりましたが贈呈式の前の日までにワークを終えることができました。現地の大工さんのお蔭だと思います。

また、ワーク先の学校の先生方が美味しい昼食を作って支えてくれました。ワーク先のTAN THAN小学校に着くと、毎日朝から美味しそうな匂いが校庭に漂っていて「今日もがんばるぞ!」という気持ちになりました。

このTAN THAN小学校は、5年前にベンチェ省では初めての教室づくりのワークを行った学校でした。5年前に作った教室を見たら、大事に使われている様子がうかがえて嬉しかったです。

贈呈式の時も雨が強く降り、テントの中に子どもたちがぎゅうぎゅう詰めに座って式典を行いました。そんな状態で子どもたちは行儀よくお話を聞いていました。ノートやクレヨンの入ったプレゼントボックスをもらって、子どもたちはニコニコと箱をのぞき込んだり、ささやきあったりしたのが微笑ましかったです。この子どもたちの笑顔を見ることができるからワークを頑張ることができると思いました。

ワークを終えホーチミンに戻ってから、郊外にある障がいを持った子どもたちを育てる施設を訪問しました。広い敷地に新しい建物が建っている立派な施設でした。外には屋根付きの大きな遊び場がありましたが、お昼寝の時間だったため子どもたちはいませんでした。中でマザーから施設のことや子どもたちの様子についてお話を聞きました。障がいの重い子どもたちが多いと感じました。前のワークの時に訪れた施設と同様に、この施設も国からの援助はなく教会からの寄付で運営されていると聞きました。1本の幹線道路で橋の架け替え工事が何カ所も同時に行われるなどインフラ整備が進んでいる様子をワークの行き帰りに見ることができましたが、子どもたちの教育環境の整備はまだ途中と感じました。また少しでも力になれたらと思いました。

長部 京さん(千歳市立北進中学校教諭)

窓を掃除する長部さん

地元の人からの感謝のプレゼントを抱える長部さん。プレゼントはココナッツの殻で作ったお茶のセット


今回のワークキャンプについて報告された長部 京さんは、ボランティア仲間の誘いで2011年に初めて参加しました。今回が5回目の参加となります。中学校で特別支援学級の担任をしている長部さんは、農村部の子どもたち、学校の先生、障害児の状況に関心をもち、ワークキャンプで毎晩行うミーティングで多くの気づきを話してくださいました。

北海道YMCAでは、参加者募集にあたって3つのことを大事にしています。1つめは、初めて参加する方には必ず募集説明会に参加して内容を理解してもらうこと。2つめは、自分がしたいことと、このワークキャンプでできることが一致しているかを考えてもらうこと。3つめは、事前研修に参加し他の参加者との共通理解をつくること、です。この3つを守ってきたことで、現地では参加者全員が心を合わせ集中して作業に取り組め、達成感を共有できていると考えています。

参加者にとっても有意義な活動であることが、現地での活動の質を高めるためにも必要なことだと考えています。あわせて、何のため・誰のための国際協力かを常に意識した活動につながっていきます。

2018年も8月初旬に「第23回ベトナムボランティアワークの旅」を実施するための準備を進めています。教室の建設場所については既に地元の教育委員会と調整作業が進められています。


北海道YMCA
佐藤 雅一



お問い合わせ先
名称 公益財団法人 北海道YMCA
住所 〒064-0811 北海道札幌市中央区南11条西11丁目2-5
電話番号 011-561-5217
Eメール info@hokkaido-ymca.or.jp