花模様

プログラム通信


6月の富士山、雨上がりの森をブラブラしていると、深く立ちこめた霧の向こうがほんのりと珊瑚色に、まるで炎が上がっているように見えました。目を凝らし近づいてみると、一株のレンゲツツジが今や盛りと、精一杯に花を咲かせています。雨滴を受けた花の色は、霧の中にあってより鮮やかに映えていました。そして、花の香りがするかどうか顔を近づけてみると、目の前にアオバセセリの幼虫がいたのです。花の艶やかな珊瑚色に、浮き立つような黄と黒のまだら模様。目が痛くなりそうなその色調に、思わず声を上げて笑いました。ひとり静かに自然と向き合う、そのひと時は、ほんの一瞬でも、ほんの些細なことでも、深く心に残ります。あの時以来、毎年梅雨になると、このレンゲツツジを見に行きますが、花のあれほどの美しさ、そこに佇む小さないのちの愛らしさには、出会っていません。その度に、自然との出会いは、常に一期一会であることを感じます。

写真・文 プログラム主任 白鳥裕之
 

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