在日本韓国YMCA 創立100周年記念 新春講演会

「歴史の狭間を生きる―和解の福音

二十世紀を生きた自分史から、二十一世紀を展望する

講師:李仁夏(イ・インハ)牧師

(在日大韓基督教川崎教会元老牧師)

 

 2007年1月13日、在日本韓国YMCAにおいて、李仁夏元老牧師(川崎教会)を講師に迎え、「歴史の狭間を生きる―二十世紀を生きた自分史から、二十一世紀を展望する」と題されたYMCA創立100周年記念新春講演会が開催され、韓日のキリスト教会関係者、YMCA関係者を中心とした約60名の聴衆が集まりました。
 李仁夏牧師は、日本名を名乗った植民地支配下での体験、解放後のアイデンティティの破綻とそこからの脱出体験、そして川崎市南部地域で過ごした四十八年の体験など、自分史を語ることを通して、20世紀の反省と21世紀への展望を述べられました。
 良き師、良き書物、良き友人との出会いを通して、自らのアイデンティティ破綻の危機を乗り越え、遣わされた川崎の地において、和解の福音に立った誰もを受け止める創造的共同体づくりのために働いてこられた李牧師のお話は、一個人史の枠を超え、21世紀において私たちが共生社会を実現するために必要なものが何であるのかを指し示す、たいへん示唆に富む内容でした。
 社会的弱者からの声でなければ共生は同化になってしまうという警鐘を鳴らしつつ、閉鎖的なナショナリズムに抗う共生社会を目指す、パンだけでなく喜びも痛みも分かち合う21世紀になってほしいと望まれる李仁夏牧師の夢を、私たちがいかに実現していくのか、一人一人に問われる切実な課題として受け止めたいと思います。(た)